ヒト幹細胞培養液を利用した育毛
再生医療の分野で有名な「幹細胞」にはES細胞やiPS細胞などがあります。
幹細胞には自己複製能力と様々な細胞に分化する能力とがあり、
この二つの能力によって組織が生まれ、傷ついた組織を再生させていると考えられている。
今回はそんな幹細胞と育毛ついて簡単にお伝えします。
①幹細胞培養液とは何か?
②植物由来の幹細胞とヒト由来の幹細胞との違い
③ヒト幹細胞培養液で育毛
①幹細胞培養液とは何か?
幹細胞培養液は幹細胞を培養する際に分泌されるタンパク質成分のことです。
ヒト由来の幹細胞培養液にはIGF-1・KGF・aFGF・HGFなどの様々な成長因子が多く含まれており、
細胞と結びつくことによってターンオーバーが短縮し、若々しい健康な状態に戻ります。
②植物由来の幹細胞とヒト由来の幹細胞との違い
「細胞を活性化させる!」という語句をよく目にすると思いますが、
具体的にどのような仕組みで活性化が行われているのか気になりますよね。
そもそも細胞の表面には、特定の形をした穴(レセプター)が存在していて、
その形にピッタリ合う鍵のようなもの(リガンド)が結びつくことではじめて活性化が始まるんです。
この鍵と鍵穴の関係は動物特有の体内で起こる情報伝達方法のひとつで、
植物の場合は細胞膜のチャネルという門を通して情報伝達をする仕組みで全く異なるわけです。
植物由来の成長因子が、ヒト由来の細胞の穴にぴたりと一致することは無いため、
細胞を活性化させるためにはヒト幹細胞やヒト由来の幹細胞培養液がもつ鍵が必要になります。
この違いから、組織の再生や美容の分野においてヒト由来の成分が有効性の高いものと評価されているんです。
③ヒト幹細胞培養液で育毛
毛髪にも幹細胞が存在していて、毛成長は毛母細胞の細胞分裂によって行われるが、
毛をつくる構造は幹細胞から生まれていることがここ20年程で報告されている。
幹細胞はバルジ領域という場所にあり、「毛包幹細胞」と「色素幹細胞」の2種類存在します。
この二つが毛根に発毛の命令を出しており、毛の発育に関わっていることが分かりました。
様々な成長因子、ビタミン、酵素も含むヒト幹細胞培養液。
これらをバルジ領域に送り届けることで「髪を生やせ」「髪を作れ」という命令を出すよう
細胞を活性化させることができます。
人体へは無害で、副作用による悪影響などは無い比較的安全な育毛手段として期待されている。
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