毛周期(ヘアサイクル)を知る。

髪が生え、どんどん伸び続け、ある時点で成長が止まり、そして抜け落ち、また新しい髪が生えてくる。これを毛周期(ヘアサイクル)と言います。

正常な毛周期(ヘアサイクル)

まず成長期。髪が伸び続けている時期であり、その期間は長くて約3〜8年である。

次に退行期。成長が止まり、毛乳頭や毛包が萎縮し、抜け落ちる寸前で、その期間は約2〜3週間である。

そして休止期には髪が抜け落ち、新たに新生毛が生える準備期間となっているが、この期間は約4〜6ヵ月である。

哺乳類の中で、獣は夏の暑さをしのぎやすくするため春に毛が抜け、毛量が減り、秋口になると冬の寒さに耐えるための毛が生えてくる。

ネズミやリスなど小動物の毛の成長は一定の長さまで伸びると、長い間休止期間が続く。そして一定の期間を経て脱毛する。

人間の毛髪は3〜8年で生え替わる。この期間は随分のバラつきではあるが、一般的に毛周期は4〜5年の人が一番多いと考えられる。中には20年近く伸び続けるケースも例外としてある。

人間の髪だけが平均して5年もの間伸び続けているが、他の生物にあまり例がない。

通常、人間の髪の成長速度は1ヵ月で約1cm、1年で約12cmになる。このことから、期間と髪の長さで、その人の平均的な毛周期を知ることができる。

また毛周期は異常な抜け毛や脱毛状態を知る上で、かなり重要な目安になる。

例えば、抜け毛が多い人から抜け落ちた髪を調べてみると、極細の毛や短い毛がたくさん混ざっており、こういった短くして抜け落ちた髪は、退行期にまで至らず、まだ成長期の途中にあった髪が抜け落ちているのである。

これは毛周期の乱れ、あるいは毛周期が極端に短くなったのであり、これは脱毛原因の存在を証明していることになる。

気になる方は自然に抜け落ちた髪を調べてみて、短い髪が多く抜け落ちていれば要注意と考えるべきだ。

毛周期と抜け毛の関係

髪が細くなるということは毛根周辺の細胞活力が低下し、太い髪を生やす力を失っている状態である。

ほとんどの脱毛症がその前期症状として、髪が細く柔らかくなる。

そして頭髪にボリュームがなくなったり、スタイリングが決まりにくいと感じた時なども、抜け落ちた髪の中には細い髪の比率が高くなっているはずである。

さらに、その状態を放置したまま何も手当もせずにいると、一段と髪は細くなり、分け目や頭頂部の地肌が透けて見えてくるようになる。

この段階では、まだ脱毛が進行しているというよりも、毛髪が極度に細くなったせいで、脱毛してしまったように透けて見えてしまっているのである。

もちろん、この時点で抜け毛の量も平均値を上回っていると考えられるが、この細くなった髪が抜けると次に生えてくる髪はさらに細くなっている。

こうして極度に弱った毛根周辺の細胞は徐々に仮死状態に近づき、ついには髪を生やす活動を停止してしまう。

乱れた毛周期(ヘアサイクル)

育毛のすすめ

異常に髪が柔らかくなるのも、成長途中にまだ短くして抜け落ちた髪も、僅かな抜け毛から脱毛症への危険信号であることを理解し、早めに対策を講じるべきである。

育毛を速やかに、かつ正しい方法で行うことで、短期間のうちに健康な髪を取り戻すことが可能である。