肌荒れや汚れなど頭皮環境の状態が原因で抜け毛は起こる可能性はあります。

しかしこれらが原因で薄毛になってしまう方は1割以下ではないでしょうか。

今回のテーマ「皮脂が原因といわれる疑問。」を以下の順に分けてお伝えします。

1.なぜ皮脂が悪者扱いされてしまったのか。

2.そもそも皮脂とは何なのか。

3.皮脂が毛穴に詰まるとどうなるのか。

1.なぜ皮脂が悪者扱いされてしまったのか。

今から遡る事、約1990年~2000年代前半というのは

〇―ブ21、ア〇ランス、アート〇イチャーなどのCMが絶えない育毛サロン全盛期でした。

当時はインターネットの普及もまだ乏しく、メディア媒体はテレビが主だったはずです。

よって薄毛の悩みはこの3つのどこかへ…という風潮もあり、個人で情報を集められなかった時代です。

AGA(男性型脱毛症)という言葉が世に知れ渡ったのは2005年以降、

それまでは薄毛の原因が解明されておらず、当時もまだ研究段階であったと思われます。

ではそれまでの間、薄毛は何が原因とされていたのでしょうか。?

それは「生活習慣」「皮脂」「ストレス」「肌荒れ」「シャンプー」「帽子」などです。

少なくともこれらの原因で脱毛していた方もゼロではありません。

生活習慣を改め、頭皮環境を清潔に保ち、ストレスの少ない生活を送る事を目指して

頑張っていたのではないでしょうか。

「皮脂」もそのうちのひとつ。

悪い悪いといわれ続け、正しい情報が手に入らない時代は

皮脂は悪者と洗脳され続けたのではないでしょうか。

※現在、ア〇ランス、アート〇イチャーは増毛(ウィッグ・エクステ)が中心になっている。

2.そもそも皮脂とは何なのか。

皮脂=脂腺から分泌される油のような物質。

成分はワックスエステル・トリグリセリド・スクワレンの3つで構成されます。

分泌量は年齢によって変化しますが新生児や思春期は多く、幼児期は比較的少なめ、

ピークは20代でそれ以降は徐々に減少していくものです。

皮脂そのものは髪を外敵や乾燥から保護するコーティングの役目があるため、

決して悪いモノではありません。

固まった皮脂が毛穴に悪さを働き、脱毛させることは稀にありますが

それがすべての毛穴で起こり、薄毛になる事はありません。

余談ですが「ニキビ」は皮脂が原因ですね。 思春期に「ニキビ」が増えるのは

分泌量が多い時期なのでお肌のトラブルも自然と多くなるのです。

3.皮脂が毛穴に詰まるとどうなるのか。

髪の毛は外へ押し出すように成長する事により毛穴を完全に塞いでしまう

ということは考えられません。

毛穴に何かが詰まって…というのは毛根哨という代謝の一部、

あるいは皮脂による角栓ですが洗髪すれば流せます。

万が一皮脂が毛穴に詰まってしまうと、

皮脂を栄養源にするアクネ菌が毛穴で繁殖することにより

脱毛ではなく「ニキビ」が発生します。

これらの項による結論、皮脂が薄毛の大きな原因ではないという事です。

はじめに皮脂による脱毛が1割以下とお伝えしたのは

皮脂の過剰分泌が原因となって脱毛するケースは唯一

「脂漏性皮膚炎」による脱毛症です。

頭皮に存在する常在菌は過剰分泌した皮脂により

過大繁殖して炎症を起こします。

ただ、少々炎症を起こしたところで薄毛にはなりません。

かなり悪化させてしまった場合に限られます。

もしもあなたが頭皮に炎症を起こしてしまったら

頭皮を清潔にし、刺激が強い整髪料や育毛剤の利用を止めましょう。

そして医師に相談しましょう。それだけで改善します。

これからの時代はインターネットが益々発展していきます。

ご自身の「見る目」を養って、情報を吸収していって頂きたい。